独立市場調査企業(Common Sense Advisory)によると、世界の言語サービス市場は2018年に465憶ドルに達する見込みだ。このまま成長を続け、2021年には562憶ドルの市場規模に達すると予想されている。その背景として、世界の多くの企業が製品およびサービスの多言語化を進めていることが挙げられる。
同社は世界の主な言語サービス企業の2016年と2017年の実収益をもとに2018年の期待収益を推測した。詳細は、第14回年次グローバル翻訳産業レポート「The Language Services Market: 2018」に記載されている。
米国の言語サービス企業のICD Translationによると、近年翻訳業界では動画、E-learning、機械翻訳の3つの分野が注目されている。
動画翻訳は、FacebookおよびYoutubeの爆発的な人気により、2017年から需要が大きく伸び、今後も成長が見込まれている。Facebookでは一日に80億回のビデオが再生されている。Youtubeでは1分間で300時間分の動画がアップロードされ、毎日50憶の動画が閲覧されている。興味深いことに、Facebookで再生される動画の85%は消音モードであり、視聴者は字幕で動画を楽しんでいる。さらに、動画を世界中に拡散するために、ダビングやボイスオーバーの需要もある。
E-learningは、近年もっとも成功しているビジネスモデルである。例えば、ある大企業が自社のトレーニングコースおよび教材を7言語に翻訳した。同社は12か月以内にさらに7言語追加すると宣言しており、それに伴って多くのスタッフや翻訳が必要とされている。
機械翻訳は2018年以降最も期待されているサービスである。この背景には、テクノロジーの進歩がある。注目すべきことは、機械翻訳は翻訳を「アシストする」ものであり、これによって人間による翻訳がなくなる訳ではないということだ。今後は機械翻訳でカバーしきれない部分を修正し、完成させるというポストエディットの需要が増えていくことだろう。
情報ソース:
1) Global Market for Outsourced Translation and Interpreting Services and Technology to Reach US$46.52 Billion in 2018:
2) The Language Services Market: 2018
http://www.commonsenseadvisory.com/Research/Market_Overview.aspx
3) Translation Industry Trends for 2018