ベジタリアニズム(菜食主義)はインド文化と密接に結びついています。
インドは国土が広く、大らかな人が多いです。
逆に、この広い大地で細かいことを気にするほうが難しいのです!
インドの菜食主義は一言では語りつくせません。
インド文化を様々な側面から理解するために、州ごとに分けて考えてみましょう。
インドの菜食主義は多種多様です。
インドには多くの宗教や文化、そして豊かな自然があります。
また、山や高原、渓谷、海岸線の湾や離島など、地形にも恵まれています。
そのため、各地で多様な菜食主義の文化があります。
インドで最も菜食主義者が多い州は、ラジャスタン、ハリヤナ、そしてパンジャーブです。
ラジャスタンは約65%が砂漠の州です。
そのため、家畜を飼養するのには向いていません。
ラジャスタンの人々は信心深く、菜食主義の戒律を守っています。
また、隣接するパンジャーブ州は乳製品の産地です。
「パニール」という名前のコッテージチーズが有名です。
インドにおける「ベジタリアン」は、基本的に「ラクトベジタリアン」、
つまり肉は食べなくても牛乳や乳製品は許容する菜食主義を指します。
パンジャーブ州では、この豊富な乳製品が人々のベジタリアン生活を支えています。
インドの菜食主義は、宗教の影響を強く受けています。
ジャイナ教と一部のヒンドゥー教には、アヒムサ(非暴力)や自然と牛を敬うなどの教えがあります。
ヒンドゥー教徒にとって牛は人にミルクを与えてくれる神聖な生き物です。
牛は女神だと考えられているため、牛を殺すことはヒンドゥー教の教えに反することになります。
そのため、インドのヒンドゥー教徒は牛を食べません。
しかしながら、伝統としきたりを大切にしてきたインドにも近年国際化の波が押し寄せています。
若者たちは食習慣を含め、西洋の文化にあこがれを抱いています。
アメリカのチェーン店「マクドナルド」や「ケンタッキー・フライド・チキン」が大人気です。
どちらの店もベジタリアンメニューを用意していますが、
このようなファストフード店がインドの伝統的な菜食文化に影響を与えていることは言うまでもありません。
ベジタリアンマークについて
インドで販売されている食品には、
ベジタリアン (菜食主義の人々が食べられる食品)
または
ノンベジタリアンマーク (卵、魚、肉を含む食品)の記載が義務付けられています。
マークの記載義務は2006年に法律によって定められました。
ベジタリアンのシンボル は緑色の枠に緑の円で描かれています。
このマークはレストランのメニューでも使用されています。
この小さな緑色のマークのおかげでインドの何千万人もの菜食主義の
人々が安全に食品を選ぶことができます。個人的にも、このマークにとても感謝しています。
インドを旅すると、各地で食習慣の違いを目の当たりにすることができます。
ぜひ一度、インドを旅行して、美味しくて、カラフルで、バラエティーに富んだ健康的なベジタリアンフードを食べてみてください!
References: http://www.agritech.tnau.ac.in/amis/food_veg_non.html
https://www.worldatlas.com/articles/top-cows-milk-producing-countries-in-the-world.html