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2019年インド総選挙

インドは世界最大の民主主義国家です。人口13憶3,500万人、世界人口の17.74%を占めます。民主主義政治の最も大切な原則は、人民の、人民による、人民のための政治です。

インドは1947年にイギリスの植民地支配から独立した後、自国の憲法を制定しました。憲法の前文には「すべての公民に社会的、経済的および政治的正義、そして自由と平等を保証する」と記されています。

国民の権利の一つとして、インドでは18歳になると選挙権が与えられます。有権者たちは自分の意志で投票することができます。
インドの総選挙は5年に1度実施されます。2019年の総選挙は歴史上もっとも多い投票人口を誇る選挙だと言われています。
インドの広大な土地と膨大な人口を考慮し、今回の投票は4月11日から5月19日にかけて7地域に分けて実施されました。このように一か月以上もかけて選挙を行う国は、世界のどこを探してもインド以外にないでしょう。

投票のために、各州がそれぞれの選挙区に分けられます。インド選挙管理委員会が投票スケジュールを作成し、それに従ってそれぞれの選挙区で投票が行われます。今回の選挙では、前回(2014年)より10%多い100万箇所の投票所がインド全国に設置されました。

2019年の総選挙では新しいポイントが2つあります。1つ目は電子投票機に候補者全員の写真が掲載されているところです。今までは、候補者の名前と党のシンボルのみが掲載されていました。



写真:電子投票機

もう1つの画期的なポイントは、投票記録用紙の発行です。有権者が投票すると、投票記録用紙が発行されます。紙にはシリアルナンバー、投票した候補者の名前と党のシンボルが印刷されます。これによって自分が確実に投票できたかを確認する事ができます。



写真:投票記録紙発行機

インドでは、ヒマーチャル・プラデーシュ州の極寒の山村でも総選挙の投票が行われます。このような過酷な環境下でも国民が選挙に参加し、貴重な1票を投じることに大きな意味があると考えられています。



写真:ヒマーチャル・プラディッシュ州タシガン(世界で最も標高の高い投票所)

今回の総選挙の投票期間は39日間と史上最長です。投票に際して、約396万台の電子投票機と174万台の投票記録用紙印刷機が使用されました。

そして、インドにはおよそ9億人の有権者がいます。

これらの数字はインド総選挙の規模の大きさを示しています。

国民はこの選挙に勝利した政権がインドをさらなる発展、繁栄、そして何よりも大切な平和へと導いてほしいと願っています。

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