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意外と深いインド英語

人口14億人のインドの公用語はヒンディー語。英語は準公用語となっています。したがって英語を話す人も日本よりははるかに多いのですが。その英語が。。。

インド人の英語を聞いたことがありますか?私たちに馴染みのない発音、表現がたくさんあって、はっきり言って分かりづらい。英語に対する自信を失うことにも。そこで、インド英語の特徴をいくつかご紹介し、インドでのサバイバルのお手伝いをしたいと思います。

まず、発音。日本人にも“r”と“l”の区別が難しいなどの困難点がありますが、さて、インド英語はどうでしょうか?

それではインド英語の特徴をいくつか見てみましょう。

まず独特な発音についてみましょう

/r/をルと発音する例:

Water (水) ウォータル
Park (公園) パルク
Four (4) フォル


/v/と/w/を区別しない例:

Vashi(ムンバイの地名) ワシ
Wada(豪邸)   ワダ
Varanasi (地名) ワラナシ


これはヒンディー語のデバナーガリ文字(देवनागरी)では、この2つの発音に対して単一の文字が使われるため、区別しないんですね。

普通発音しない文字も見た通り発音する例:

Wednesday (水曜日)ウェドネスデイ
Restaurant (レストラン)レストラント
Salmon   (鮭)サルモン

インド独特のフレーズ

(1) I passed out of college (= I graduated from college)

「卒業しました」の意味。失神するわけではないんです。誤解しやすいですね。


(2) I belong to Delhi (= I am from Delhi)

「デリー出身です」の意味


(3) Do the needful (= Do what is necessary)

「やるべきことをやりなさい」くらいの意味


(4) Out of station (=  Out of town)

誰かが遠出しているときに使う、「今は出かけていていないんだ」くらいの意味


(5) Do one thing (= Could I request you to do something?)

誰かにお願いしたいことがあるときの前置き程度くらいに考えてください


(6) What is your good name? (= What is your Name?)

単に「お名前は?」と聞かれているんですね

その他にも意外な表現が!

「レストラン」を「ホテル」といいます。いいホテルを教えてもらおうとしてインド人に聞いて行ってみたら、そこはレストランだった!なんてことになります。

「ライム」の代わりに「レモン」と呼びます(インドにはライムしかなく、レモンとライムの違いがないんですね)。

また「ゼロックス」は会社名ですが、インドではコピーの意味で普通に使われています。

このように発音だけでなく、インド英語でよく使われる独特の単語、フレーズがたくさんあり、インド人以外には使いこなすのが難しく、誤解を招くことがあるかもしれません。

しかし、逆にインドの言葉が英語になった例も多くあります。

例えば、

ジャングル
シャンプー
バンガロー
ベランダ
パジャマ  などなど英語として使われている多くの言葉の起源がインドなんです。

なぜ、このような英語が生まれたのでしょうか?

これまでに述べたような独自性が生じた理由について考えてみました。

インドは18世紀半ばから約100年間イギリスの植民地であり、インド人の学校教育は基本的にイギリス英語で行われることになり、イギリス英語が広く普及しました。そこに世界の他の国々と同様、大量のアメリカ文化が言葉とともに流入し、当然アメリカ英語の影響も受けることになり、結果として、インドの英語はイギリス英語とアメリカ英語がミックスしたものになったんです。

その上、インド英語はインドの多くの地域言語の影響も受けています。インドは言語的に非常に多様性に富んだ国(国の指定する言語だけでも22言語!方言まで数えたら1683!)であり、インド人の話す言語はその多様な母語と英語のミックスしたものとなりました。その母語と外国語が互いに影響しあう状況により、今もインド英語は変化し続けています。

インドで話される英語の形成には、こうした複雑な地域的、歴史的背景があるわけです。言葉はいつでも、どこでも様々な要素の影響を受け、影響を与えつつ変化していくものなのですね。

さて、いかがだったでしょうか。これでインド英語も怖くなくなりましたね!