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多言語国家インドについて考えたこと

「インドとは、相異なる無数の国に我々が与えた名称である。一つのインドという国は存在しない。雑多な、相互に対立する土着の諸集団のかたまりがあるにすぎない」(19世紀末のインド植民地の英国人官僚ジョン・ストレイチから引用)

日本人の目から見るとインドには驚かされることがたくさんあります。多様性に富んだ国。宗教、食事、肌の色、大豪邸から巨大なスラム...。言語もその一つ。インドにインド語というものはありません。インド憲法によれば公用語はヒンディー語、準公用語は英語。しかし、このどちらも話さない人も多いのです。

多くのインド人はポリグロット(複数言語を話す人)です。それぞれの生まれ育った地域の言語を母語とする人たちはその背景によって様々な言葉を話します。3~5の言語を話す人は当たり前、時には7言語という人もいます!異なる価値観やバックグラウンドの人々が意思疎通し、共生するためには、ほかの言語も理解しなければなりません。家族と過ごすときは母語を話し、一歩外に出ると隣接する地域の言葉も話すという状況が生まれます。

インドにおける言語習得のプロセスは日本に比べ、ずっと複雑で多様なものになります。複数言語によるコミュニケーションはインドではごく普通のことであり、3つ以上の言語を使うことをインド人は特別な才能とは考えません。言語習得は、その地域の社会的、文化的背景や教育政策に左右されることが多いのです。子供たちは学校で英語や他の言語を学びながら、家では家族と話すことで母語を習得していきます。さらにボリウッド映画やテレビ番組を通じてヒンディー語を身に付ける子供もたくさんいます。このように幼少期から複数の言語に触れることで、自然と多言語能力の発達が促されます。

「幼児は、2つ以上の言語を聞いても混乱することがなく、聞いた言語を識別する能力を発達させる。彼らは、単一の言語しか使っていない者に比べて、新しい言語学習に対してより柔軟である。」(引用:[Morgan-Short, Steinhauer, Sanz, & Ullman, 2012](https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5662126/#R45) )。

以上が多言語国家インドで、言語を学びながら考えたことです。

第2言語習得のための3つのヒント

ここで当社のインド人スタッフに第2言語習得のコツを聞いてみました。

★インプットを増やし、イマージョン(没入)すること!
第2言語習得の第一の要件は、学習している言語のインプットでしょう。学習者は、学んでいる言語に長く浸れば浸るほど上達します。ですから、できるだけ学習言語で聞いたり読んだりするようにしましょう。

★頑張りすぎない!
言語学習は意識的なプロセスですが、言語習得は無意識的なプロセスです。したがって、その言語に囲まれている限り、無意識のうちに習得のプロセスが促進されるのです。

★言語を忘れたくなければ使うこと!
長期間にわたって学習言語を使わなかったり、触れなかったりすると「第2言語の喪失(Second Language Attrition)」と呼ばれるプロセスを経て、その言語を忘れることもあります。学習した言語を使い続ければ、忘れてしまうのを防ぐことができます。

当社のインドチームは4言語以上操る「ポリグロット」の集団です。
インドの言語でお困りの際には、ぜひご相談ください。