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AI機械翻訳の得意・不得意とは?〜AI機械翻訳を正しく使いこなすために〜

ビジネスのスピードが求められる現代、翻訳においても「とにかく早く」「コストを抑えて」対応したいというニーズが高まっています。こうした背景から、機械翻訳(MT: Machine Translation)を業務に取り入れる企業も増えてきました。

しかし、すべての翻訳を機械に任せてしまうと、かえって誤訳や品質低下につながるケースもあります。
大切なのは、機械翻訳の強みを見極め、効果的に使いこなすことです。

今回は、機械翻訳の得意な分野と、注意すべき不得意なケースを解説し、適切な使い方のヒントをご紹介します。

機械翻訳が得意なケース

1. 定型的な文書やルールの決まった表現

マニュアルや操作説明書など、同じ表現が繰り返されるような文書では、機械翻訳が大きな力を発揮します。特に専門用語が明確で、用語の揺れが少ない分野(IT、機械工学、医療機器など)では高い精度が期待できます。

2. 大量・高速処理が求められるとき

膨大な量を短納期で翻訳する場面では、スピード面で圧倒的に優れている機械翻訳が有効です。時間が限られている中で大まかな内容を把握したい場合にも有用です。

3. 社内向けの情報共有や概要把握

外部に公開しない社内資料や、海外ニュース・資料の概要をつかむときなど、「ざっくりと意味が分かれば十分」という場面では、機械翻訳でも十分役立ちます。

機械翻訳が苦手なケース

1. 言葉のニュアンスや文脈が重要な文書
キャッチコピーや商品説明、広告、スピーチ、契約書などは、単語の選び方一つで大きく印象が変わります。機械翻訳は文脈や文化的背景の理解が浅いため、誤解や不自然な訳になりやすい分野です。

2. 表現のトーンやスタイルにこだわりがある場合
ブランドイメージや企業のトーンに沿った表現が求められる場合、自然で洗練された言い回しを選ぶには人間の判断が不可欠です。機械翻訳では「無難すぎる」または「ぎこちない」仕上がりになることがあります。

3. 重要な法的・技術的な内容が含まれる文書
法律、金融、医薬などの分野では、正確な訳語の選定と専門知識が求められます。機械翻訳では細かいニュアンスや専門的な言い回しを誤るリスクがあるため、ポストエディット(人による修正)やプロの翻訳者の関与が必要です。

機械翻訳を「上手に使いこなす」ためには?

機械翻訳はあくまで「翻訳作業の一部を自動化するツール」です。重要なのは、「どこまでを機械に任せ、どこから人の手で仕上げるか」という見極めです。

多くの翻訳会社では、機械翻訳と人の手によるチェックや修正を組み合わせた“ハイブリッド型翻訳”を提供しています。

このようなサービスを活用することで、「スピードと品質」を両立させた翻訳が可能になります。

おわりに

機械翻訳は、使い方次第で業務効率を大きく向上させる強力なツールです。

しかし、全ての翻訳に万能というわけではなく、得意な領域とそうでない領域があります。

だからこそ重要なのは、機械翻訳の強みを見極め、最適な場面で最大限に活用することです。重要な文書やブランド価値が問われるような場面では、プロの技術と人の目による品質担保が欠かせません。

もし翻訳作業の効率化を検討されている場合は、ぜひ当社までご相談ください。
目的や予算に応じて、最適な翻訳手法をご提案いたします。